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Posted by TI-DA at

清竜人の「WORLD」CD レビュー

2010年05月01日

清竜人さん、二枚目のアルバムです。

今作は前作に比べると、
バンドサウンド、ストリングスと豪華絢爛なサウンドが多くなり、
色んな色をした曲を聴くことが出来ます。

ライブでは相当挙動不審な感じでMCも20歳相応?だが
音楽、特に詩を眺めていると既に大成していますね。

「自分がいる世界」
「世界にいる自分」

その2つととことん向き合って
自分の存在意義や存在価値を考えて
強くなったり 弱くなったり
でも結局アルバムの最後では「何もわからない」と歌う

彼が歌にする言葉は、
彼自身の心の表現であり、
彼自身の心に言い聞かせている部分もあるのだろうけれど、
それらは、前作よりも更に、
聴いた相手の心の表現にもなり、
聴いた相手の心に力を与えるメッセージともなっている。

ありもしない答えを探し続ける彼の行為は、
確実にリスナーの世界を救っている。

歌っている間の、息継ぎをする音が、
他のアーティストよりも鮮明に入っているのだけど、
それは決して耳障りなんてものではなく、
そういう部分からも人間らしさを生に伝えてくるとこが、
清竜人の表現の上手さ・豊かさ。

曲全体に、彼は何か見えない力を与えてしまう。
「ウェンディ」のラストサビ前の、
たった2拍間の、4つのスネアの音が、
何度聴いても感情をえぐられて泣ける。
音の魔法。

清竜人が弾くアコギとピアノからは、とても「純粋」な音がする。
1人の人間として、
彼は深い自問自答を繰り返すけど、
だからこそどんな世界に居ても自分を保ち、
周りに流されて、周りから自分を汚されることないような、
名前通り非常に「清い心」の持ち主。
人間性を真っ直ぐ伝える2種類の楽器の音から、そんなこと感じる。

あなたの世界にも、あって損はしない1枚です。

シンプルかつ壮大な「ワールド」から幕を開け、
ラブバラード「マドモアゼル」「痛いよ」「ウェンディ」「ラヴ」、
焦燥感溢れるロックチューン「あくま」「ヘルプミーヘルプミーヘルプミー」、
明るきポップ「偉い偉いさんのボタン」「マイ☆スター」、
元気付けられるであろう間違いなしの「がんばろう」「それぞれそれぞれ」、
予測不可能な展開を繰り出す「イザナギの後遺症」など。

個性溢れる彼の世界が炸裂しつつも、
彼のこれからの新作を十二分に期待できる一枚です。

買ってまずは損なし!!   


Posted by 春清花 at 11:15

大橋トリオの「A BIRD」CD レビュー

2010年05月01日

ひとりなのに大橋トリオ。
ラジオで聴いた名前に惹かれて。

1stと2ndがすごく良かったから、ちょっと不安になりつつドキドキしながら聞いてみたけど・・・
心配する必要なかったです。笑

いつもいつも、前作と同じように、むしろそれを越えて、いいものを作ってくれるアーティストってそういないですよね。

大好きすぎてメジャーデビューがちょっと寂しい気も。。

声にアルファー波が出ていてものすごく心地よくて癒される。

英語の発音も心地よい。

ピアノの音がキュンとしてすてき。

いろんな楽器のいろんな音がとってもすてきにまざっていて、オシャレトロ。

聴いているとやさしくなれるから誰かとけんかしちゃったらきくといいです。

お薬みたいににっこりしてくる。

イントロだけで泣けちゃうくらい、音の選び方が絶妙なのも大橋トリオの魅力だと思います。

今回の『A BIRD』然り、全作自信を持ってお薦めできるアーティストです♪

映画音楽を手がけていただけあって、1曲1曲が、まるで1本の映画を見ているようなドラマティックな展開。

ピアノを弾く指が素敵。

夜。お酒を飲みながら少しかっこつけて聴きたい。   


Posted by 春清花 at 11:15

Red Hot Chili Peppersの「By The Way」CD レビュー

2010年04月28日

2000年代のバンドの最初のアルバムにして2000年代ロックアルバムのおそらく最高傑作ではないかと。
全編ギターのジョン・フルシアンテがイニチアシブをとっている。
前作のメロウ路線はジョンの再加入によるものでそれをさらに洗練されて取り込まれている。

前作ではまだ未完成だったその洗練されたメロディ重視の構成はここでほぼ完成されている。
ビートルズのアルバムのような作品として完成されたアルバムだという人もいる
確かにビートルズを彷彿とさせるメロディのよさにコーラス、ギターエフェクトの多重録音。
まさにビートルズ、またはクイーンといったところか。

今まで聞いたレッチリのアルバムでは一番好き。
多分聴きやすいんだろうな。
メロディアスでいてどこかおとなしい。
でも、決めるところでは決めてるみたいな。

ほんとはっきりいって全曲いいです。
そういいきれてしまうのだからすばらしい。
しんみりしたいときにきくとなおさらよし。
声とコーラスがじわじわと訴えてきます。

その中でオススメをあげるなら「Can't Stop」
イントロから期待させられる。なんなんだあのリフは。
独特の歌いまわしも決まっています。
泣きメロ系の曲もいいけどやっぱノリノリ系が似合う。
このアルバムの中では異彩を放つ存在です。

16曲中、好きな曲は14曲もあって、だからつまりほとんど全部が好きな曲なんです。

ここまで好きな曲ばっかりあると、じゃあ好きじゃないあとの2曲は何だって言うと、ユニバーサリー・スピーキングとワーム・テープです。
あとの曲は、ほぼ完璧に、この頃のレッチリの世界観を演出しています。
そして注目すべきは隠れた名曲、ヴェスニス・クイーン。CD録音も最高だけど、スレインキャッスルのライブバージョンが最高。なんともいえない悲しさと2部構成で、まさに隠れた名曲だね。

アルバム通していうと、やっぱりメロウな悲しいかんじの曲が目立つ。バイ・ザ・ウェイ(曲)とキャント・ストップとスロウ・アウェイ・ユア・テレヴィジョンを抜かすとあとは全部メロウな曲。
カリフォルニケーションの時よりもあからさまに悲しい曲を作ってるのはジョンの仕業。曲はすごい好きなんだけど、フリーのベースが死んでて、このころはなんかジョンとフリーはマジで仲が悪かったらしい。まぁ俺はフリーのベースがそんなに好きな訳じゃないけどね。
あと、こんななかでチャドのドラムが生きてるのはすごいと思う。スロウ~はチャドのドラム光りまくり。


とりあえず、初めてレッチリを聞くには最適なアルバム。
ここから入るといい気がする。
そこから遡るなりなんなりしてくれ。
ジャケットも印象的で素敵。

でも、全編が先述通りでなく、このバンドの無機質なところはある。

さらにこのバンドの集大成とでも言うべき曲がCan't Stopだろう。

キャッチーでありかつポップというよりは、聞き手を踊らすロック・リフ!
メロディも計算されたものらしくギターとベースのリフのユニゾンにのるボーカルのラップは心地よい。
今でもライブでは必ず一発目にこの曲をやるとこからもバンドもこの曲が気に入っているのも伺える。



1. By The Way
2. Universally Speaking
3. This Is The Place
4. Dosed
5. Don't Forget Me
6. The Zephyr Song
7. Can't Stop
8. I Could Die For You
9. Midnight
10. Throw Away Your Television
11. Cabron
12. Tear
13. On Mercury
14. Minor Thing
15. Warm Tape
16. Venice Queen   


Posted by 春清花 at 12:31

DEEP PURPLEの「Machine Head」CD レビュー

2010年04月28日

音楽誌などでロックの歴史的名盤の話が出ると、必ずと言っていいほど名前が挙がる冗談みたいなアルバム。

クラシックを愛聴し、BEATLES程度しか知らなかった私が後々Death Metalの世界にまで足を踏み入れることになるのも、すべてはこのアルバム、そして1曲目のHighway Starから始まっているのである。

まさに衝撃であった。

イアン・ギランのシャウトから始まるこの曲。

ドラムはスイングしつつもフィルは多く、キックの多彩さといったら、唯一無二の存在でしょう。

そしてジョン・ロードのオルガン。

ほかのバンドにはない「色」をつけているのが彼の音だと思っている。

リッチー・ブラックモア、言うことはない。

神である。

言わば、5人の神懸り的な一瞬を捕らえたアルバムであり、この時この人たちでしか作りえなかった、決して再現不可能なことは知ってのとおり。

まさに宿命である。

有名曲「Highway Star」「Smoke on the Water」はじめ一度聴いたら忘れない名曲揃い。間違いなくDEEP PURPLEの代表作。

ロックが好きだって人は、絶対これ、聞きなさい。

ちょっと昔にフェンダーのギターに関するテレビCMで、ギターを始めた外人の若者たちがSMOKE ON THE WATERのリフを一生懸命練習する姿に共感を覚えた人も多いのでは?

あのイントロはロック歴代イントロランキングが出るとしたら間違いなく1位になるだろう。

この曲を知らない人は、ネットでダウンロードしてでもいいから聞きなさい。

絶対「あー!あの曲か!」って言ってますから!

発表は1972年だが、未だにハードロックのバイブルとまで言われるほど、異常なくらいに評価されている。

誤解を恐れずにいうと、非常にポップな作品。

多くの人がこの作品を手にするきっかけとなるのは、おそらくギタリスト・RICHIE BLACKMOREの名前と共にある①「Highway Star」⑤「Smoke On The Water」といった非常に有名な曲ではないか。

しかしながらBLACKMOREというギタリストに焦点をあてて他作品を聴いていくと、決してこの作品が傑出したものではないことがわかる。

しばしば「狂気の」などといった形容詞とともに語られるこのギタリストであるが、それはいくつかの他作品・ライブ音源で聴かれるプレイにはふさわしい言葉ではあるものの、けっしてこの作品でのギタープレイには適していない。
そういった理由から、ハードロックギターを好むリスナーがその入門として聴き始めるが、しかし他の様々な作品やアーティストを聴くにつれ評価が低くなっていってしまうのがこのアルバムではないだろうか。

やっぱこれだよね
オープニングからかっ飛ぶ爽快感
一曲目からテンション上がりっぱなし
パープルといったらこのアルバムか
Burn 上げる人が多いけど
ヴォーカルぁ「全盛期の」ギランが好きなんで
こっちかなぁ

浜崎あゆみが聞いてるらしい。で、最近また人気が出ているようですね。未だに高円寺界隈を歩いているとアパートからSmorkOnTheWarterのフレーズが聞こえてきたりして懐かしい。当時このアルバムに収録されているHightWayStarの間奏のギターソロを弾けると「すげー!」なんて言われてあの頃のアマチュアロックバンドはみ~んなこれをコピーしていましたっけ。アマチュアロックバンドのバイブル的な存在だったと思います。実際初めてラジオからこの曲を聴いた時私はぶっ飛んでしまいました。
でも日本で騒がれていたほど海外では人気は無かったようです。どちらかと言うと田舎町で人気があったようでしてNewYorkなどではだめ。なるほどロックの後進国の日本で爆発的な人気だったのは今にして頷けます。
久しぶりに聴くと改めてアルバムから伝わってくるその荒削りのパワーには驚き!10年以上前に武道館に観に行きましたが、ライブよりもライブしているのですね。Purple聞くなら絶対このアルバム。やっぱり凄いバンドです。

このアルバムが30年以上前に作られたなんて
信じられない 今聴いても無茶苦茶格好良い
何が良いとかじゃないよね
魂で聞けって感じ いや感じろって方が良いか

ならばこれは魅力に乏しい作品であるといってしまってよいのだろうか?
それは大きな間違いである。
むしろギタリストBLACKMOREが前面に出てきていないことがこのアルバムを魅力ある名盤たらしめている。
曲の良さの拠り所がギタープレイではないということであるが、それが顕著なのはこのバンドの代表曲としては語られることのない②③④といった曲だ。

ギターを中心にこのアルバムを聴いてはいけない。
ここで聴けるのは彼らの長い歴史の中における「名演」ではなく、彼らがこの時期素晴らしいコンポーザーであったことをしめす「名曲」である。  


Posted by 春清花 at 12:31

TRIPLANEの「home」CD レビュー

2010年04月28日

彼らのアレンジとVo江畑氏の声を聞くと一瞬、「Mr.Children?」とも思ってしまう。(また皮肉にもミスチルが同名のアルバムを発表し売れてしまったことでますます比較されてしまった。)

"ニセチル"等と揶揄される事が多々あるが、確かにMr.Childrenから大きな影響を受けている事は公言しているし、Mr.Childrenから影響を受けた人なんて沢山居るだろう。
更に声質までもが似ているから、まね事の様で個性が無いと言うが、ずっと聴いていれば"Mr.Childrenに似ているバンド"から"TRIPLANE"という、一アーティストとして自然に認識は変わっていくと思う。

しかし、今のミスチルは歌の世界観が幅広すぎているのに対し、彼らは純粋な恋愛・日常・人とのつながりを大事にし、10代の頃を思い描くような歌を歌っている。まさにエヴァーグリーンな楽曲ともいえるだろう。この辺が初期のミスチルを思い起こすのかも知れないが、ロック(バンド)色が強いのが彼らの持ち味だと思う。(初期のミスチルでも彼らのようなアプローチは出来なかったであろう)

そんな一部批判的なファンに対してのメッセージはこれまでにして、

1stアルバムの紹介をしたいと思う。

ワンピースで有名になった主題歌「Dear Friends」を含む全11曲。シングルも5曲入っているのでベスト的なアルバムともいえる。どんなにジャンルをアピールしようとも「歌モノ」で括られる今日のJ-POP界に立ち向かえる内容。また、アレンジや曲順もベスト!メロディーも"すっと"入ってくる。

「ライナーノート」 はアルバム曲ながら、初っ端から名曲を当ててきた。
疲れた顔した社会人に支持されそうな、元気が出る曲だと思う。

「raspberry」 は一番好きな曲。
失恋から立ち直りかけてきたところに無垢な子が迫ってきて、最初は敬遠してたはずなのに、曲が終わる頃にはゾッコンになってるっていう心境の変化が凝縮されてて癖になる。

あとはこれがロングセールでもいいから大ヒットしてくれれば嬉しいのであるが・・・

最初にごちゃごちゃ言ったけど、Mr.Childrenと比較されるのが嫌なわけじゃないし、むしろMr.Children好きな人には是非オススメしたい。
敬意を評して言うならば、ミスターチルドレン・チルドレンとでも顕そうか、小泉チルドレン的な意味で。

また、個人的にはコブクロやスピッツ好きにもウケが良いのでは?と考えてる。  


Posted by 春清花 at 12:31

世界の終わりの「EARTH」CD レビュー

2010年04月08日

デビューシングル「幻の命」を聴いて思わず購入してしまった1枚。

それはかなりのディープインパクトだった。そのあまりにも巨大な世界観に出会ってしまったとき、ただ立ち尽くしてしまった。

そして、気付いたら涙が止まらなくなっていた。
でもその涙は悲しくて流しているものではなくて、終わりから始まる希望からくる歓喜の涙。
何なんだろう、この悲しいはずなのに、とても優しくて温かくて嬉しくなるような感情は。
もしかしたらこれを純粋っていうのかな。

イントロの印象的なピアノのフレーズに続いて、切なくもポップな曲が流れ始める。

そして、中性的なボーカルが紡ぎ出す言葉はあまりに重く悲しい。
歌詞が重いというか哲学っぽいから苦手な人は苦手かも。
戦争とか死をそのまんま歌ってるし。

だけど、その中にもほんの少しだけ希望を感じさせる。
「とりあえず」の言葉じゃないからちゃんと伝わってくる。

そしてすべて口ずさみたくなるポップなサウンド。
ただ口ずさんだ時に自分の口から発せられるその歌詞にドキッとさせられる。

「人」の役に立つため、
「人」に迷惑をかけないように。

「みんな」が幸せになるような世界にしたいと願う。

ほんとに素晴らしい新世代バンド。
今年ブレイクすること間違いなしです。
  


Posted by 春清花 at 01:53

エレファントカシマシの「STARTING OVER」CD レビュー

2010年04月08日

夜な夜なヘッドフォンで聴いては涙しました

どの曲も好きだけど
元々好きな曲の翳りゆく部屋とさよならパーティーが好きです。

ずーーっとなんか気になるアーティストでしかなかったエレカシ
好きになるきっかけになった武道館ライヴに誘ってくれた友達に感謝!

 宮本浩次の青年時代のほろ苦い経験をそのまま表した2曲「こうして部屋で寝転んでるとまるで死ぬのを待ってるみたい」と「リッスントゥザミュージック」・・・そして力のこもった荘厳な声で歌われる「翳りゆく部屋」のカヴァーは、聴き手の心を巻き込む、痛いほどのせつなさ。前作のバラッド曲で物足りなかった何かをまとめて掴んだような、08年の今だからこそ涙が匂いが若々しいそんな青春の歌だ。

何か雰囲気が変わったな~って気がします。
いい意味でですが。
雑誌で読んだ限り、実際にメンバーの関係が穏やかな状態で作られたそう。
もう彼らも中堅~ベテランか~という感じです。

エレファントカシマシの宮本は優れたメロディーメイカーであり、なおかつ優れた歌い手であるということが証明された作品。
今までは力をこめてぐしゃぐしゃに丸めたものを「これでどうだぁ!!」と思いっきり投げていたけど、そのぐしゃぐしゃに丸めたものを、ひとつひとつのシワを丁寧に伸ばしながら広げてみたらとっても素敵なものが描いてあった。例えるならそんなアルバム。

たしかに随分ポップになって聞きやすくなったとは思う。今まで男くさいロックとポップの間を迷っていたバンドが、ようやくポップの方向に道を見出したという印象。

だけどどうなんだろう。もしポップとして評価するとすると、それこそ荒井由実だったり小田和正だったり槇原なんちゃららの大御所と比較したときにどうしても見劣りしてしまうわけだし、ロックという色をそぎ落としたポップというカテゴリーで見たときに、どうしても諸手を上げて評価する気にはなれない。(ただ、その中で、「笑顔の未来へ」だけはポップという土俵できそわせても最高と言っていい名曲だと思うが)エレカシ黄金時代というにはまだ早い気はする。

きっと彼はまだまだ迷い続けて、そしてその迷いの中のロックな生き様を見せ付けてくれるものと思う。

なんといっても素晴らしいのは宮本の力強く伸びのある歌声。今まではがなり声や怒鳴り声が宮本の代名詞だったように思うが、今回は(良い意味で)肩の力が抜けた伸び伸びとした歌声が聴ける。加えて、母音も含め、一音一音をしっかりと歌っている点が素晴らしい。特に「笑顔の未来へ」のAメロ、Bメロなど、宮本の歌う言葉とベースやキーボードのリズムが一体となって一種のノリというかグルーブを生み出している。
蔦谷好位置やYANAGIMANなど優れたプロデューサーがアレンジしたサウンドも素晴らしく(特に今回は石君のギターが冴えていると個人的には思う)本人がメディア等に出演した際に繰り返し言っていたように「ていねいに」作られたことがよく伝わってくる。

欲を言えば「桜の花、舞い上がる道を」も入っていれば完璧だったのになぁ…と思う。が、今後はどういったさらに素晴しい作品を発表してくれるのか非常に楽しみ。

若い頃尖ってたオヤジたちが骨太のロックンロールをやってます、という感じかな。

ウコンの力のCMで流れてる『俺たちの明日』、ダウンタウンDXで流れてた『笑顔の未来へ』、荒井由実の名曲『翳りゆく部屋』などなど。
かつてのようにトゲトゲしい曲はないものの、円熟味のある曲が揃った名盤です。

 それにしても、パワフルなビートと声がラストを飾る「FLYER」が凄い。『扉』の「パワー・イン・ザ・ワールド」のガムシャラな爆発力ともまた違う、人生の午後を「さあ頑張ろうぜ!」という晴れやかな気持ちで出迎え、少し清々しい顔になったあのかつての花男が己の道を一歩踏み出していく勇ましき後姿を見ているようで、感動的だ。
 おっさんになったらこのアルバムをもっと深い気持ちで聴きたいね。

いつまでも思春期じゃない しっかり時を経てきた大人なロックだと思った
酒・女・ドラッグ・イェー!みたいな(なんだそりゃ笑)海外かぶれじゃなくって 下手すりゃ武田鉄矢とか少し匂ってくるよな でも全然カッコイイ音楽だと思った!
  


Posted by 春清花 at 01:53

the telephones「JAPAN」CD レビュー

2010年04月08日

最高の出来だと思います!
日本にこんなかっこいいニュー・ウェイヴバンドが居たんだ!
って感じですね!
全部英詩なんですが、まったく違和感なく聴けます。
一瞬、海外バンドかな。って感じです!
メロディは日本人向けでノリやすいですが、飽きない。

ロック+コレクトロニカってことでジェッジジョンソン的な感じなのかな~って想像してたけど全然!

洋楽と言って差し支えないくらいそこらへんの洋楽より洋楽っぽいです。

ボーカルのヘタウマかつ変態っぽさがたまらんです。

ギターとドラムも変則的でいいです。

ベースも力強くてかっこいいです。

最近の好みのバンドはベースラインがしっかりしてることが条件に入ってます。

M1の楽しそうな流れからM2のドラムへのつなぎはやばかっこいいです。それからは連鎖して止まらん感じです。

タイトルがJAPANですが、一聴では全然日本ぽさなんか感じられねえて感じです。

何回も聞いてると、どこか懐かしいけど新しい、元からるものを使って全く別のものを作り上げるみたいな日本ぽさは確かに入ってきます。

ポリシックスとドーパンとナンバガとかいろいろ足し合わせたっぽくなってます。

ダンスロックチューン。
本来『洋』のイメージであるものに
アルバムタイトルでもある『日本』が
上手く重なっているようなアルバム。

声と音のバランスは程よく、
単に勢いで持っていかない感じからして、
『一体何者??』と思わせるくらい
巧みに曲を運んで行く。


エレキとロックを別々にならすというよりは同時にやることでテクノでもロックでもエモでもポストでもなくてテクノであってロックであってエモであってポストであるみたいな新しい感じになってます。

竹内電気が参加してるらしいです。
こいつら何かすげ~。ラプチャー的要素ありアクモンぽさありフォールズっぽさあり...etc
今のUKインディーロックシーンの良いとこどりをした感じのバンドである☆日本のインディーロックも本家のイギリスに負けていない。これからの電話達の活躍を期待したい。そしてジャケットが好き♪

特にオススメはM-2、M-5です。

M-2「DaDaDa」
のっけから吹き飛ばされそうなサウンド、アップテンポなリズムが気持ちいい疾走感です。
リズムがとにかく、気持ちよくてヴォーカルのテンションもぴったりな曲。

M-5「FREE THROW」
これはかなりゆったりなメロディで浮遊感あるサウンドで
エレクトロな感じもあって気持ち良い感じです。
なんとなくフワフワする感じにどんどんハマってく曲です。  


Posted by 春清花 at 01:53

ガゼットの「NIL」CD レビュー

2010年04月08日

激しさは前回の「DISORDER」を上回る勢いだ。

形に囚われない奴らの魂は最高。

ヴォーカル、ルキが放つDeath voice、感情むき出しのリズム隊。

ガゼットはこの5人でないと成り立たない。

好きな曲、そうでもない曲がはっきり別れた
アルバム。試聴の段階で期待しすぎたためか、
ちゃんと聴いた後、なんか違うなーと感じました。

何回か聴いて良いと思えた曲もあったけど、
逆に何回聴いても受け付けない曲もありました。

緩急ついてるのはいいんだけど、自分としては
もっとうねるというか、這いずる感じが
欲しかったです。
暗い曲が多く、バンバン脳までくる曲を求めている方向き。
メロディーラインの美しい曲が揃っていて、始終飽きることは決してない。

私は、V系というと無駄に着飾った歌詞とシャウトの印象が濃く、あまりいいとは思えなかったが、このアルバムとの出会いで、自分の勝手な偏見と思い込みに恥ずかしくなった。
力強くて、それでいて優しくて、すごくリアルな歌詞と音がこれでもかってくらいに詰まってます。
彼らの今までの曲に比べて特に洗練されていると思う。メロディーもまとまって落ち着いているように感じる。
所謂ビジュアル系はちょっと、という人でもそれほど拒否反応は出なそう。
ガゼ初心者にはDISORDERの方を薦める。

音も以前よりも重くなって、曲もカッコよくなってる。
シングルの『Cassis』が切ないバラード、
かと思いきや突然シャウトから入る『DISCHARGE』もあったり、
フツーにかっこい初回版のPVにも収録の『SHADOW VI II I』、
ノリがイイ『生暖かい雨とざらついた情熱』
など、バラエティに富んでる。

NILは既存曲のリメイクっぽい曲が沢山あるんで。
既存曲聞き込んでる人の方が別の意味で楽しめそう。

まぁ、そのリメイクの趣向が「売れ路線」になってるが故に既存のガゼファンには物足りない面もあるでしょうねぇ。
「重さ」があっても「深み」が無いってやつ?
でも出来栄え自体はクオリティ高い。
それほど声も曲も素直に格好良い。   


Posted by 春清花 at 01:53

レミオロメンの「花鳥風月」CD レビュー

2010年03月24日

アカシアの咲き乱れるこの季節にこのアルバムが出て、ちょっと感無量。
もう少しすると桜も咲いて、時期に夏が来ます。

「粉雪」あたりから軸足がぐらつきだし、ここのところずっと不調な感じが否めませんでした。
小林武史がプロデューサーになった頃と一緒です、いろんなことがあったのでしょう。分かりませんが。

人それぞれいろんなことはあるもんだし、そんな時期もあるでしょう。2009年にはレミベストが発売されて、もう終わりなのかな?っと思っていましたが、小林武史の元を離れて今回のアルバム発売になりました。

私にとってのレミロメンは2thアルバルのetherまでで、正直、3thアルバムのHORIZONからは違和感ばりばりでした。
なんでそんなに若者や大衆に媚びを売っているのだろうって。Monsterなんて、ミスチル意識しすぎでしょう?そんな少年みたいな曲、好きで作ったなんて思えない。本人がスランプを口にするくらい、悩ましい感じになっていました。

それに比べて花鳥風月。これ、いいんじゃないでしょうか?なんかいろいろ書くまでもない気がする、いろいろといい曲が詰まってます。セルフプロデュースから始まるレミオロメン第2章、微笑んで、みんなで音楽を楽しんでいけるような
そんな第2章が始まればいいなぁと思います。

音楽は夢を語るよりも、やっぱり素朴な日々の中で感じたこととか、季節のうつろいとか、微笑みたくなるような大切な人のこととか、そういう身近なことにちょっと音楽に乗せて楽しむくらいがいいんです。
立派な舞台と立派な舞台装置なんて、ほんとにいいものの前にはいらないです。きっと。   


Posted by 春清花 at 23:34