清竜人の「WORLD」CD レビュー

2010年05月01日

清竜人さん、二枚目のアルバムです。

今作は前作に比べると、
バンドサウンド、ストリングスと豪華絢爛なサウンドが多くなり、
色んな色をした曲を聴くことが出来ます。

ライブでは相当挙動不審な感じでMCも20歳相応?だが
音楽、特に詩を眺めていると既に大成していますね。

「自分がいる世界」
「世界にいる自分」

その2つととことん向き合って
自分の存在意義や存在価値を考えて
強くなったり 弱くなったり
でも結局アルバムの最後では「何もわからない」と歌う

彼が歌にする言葉は、
彼自身の心の表現であり、
彼自身の心に言い聞かせている部分もあるのだろうけれど、
それらは、前作よりも更に、
聴いた相手の心の表現にもなり、
聴いた相手の心に力を与えるメッセージともなっている。

ありもしない答えを探し続ける彼の行為は、
確実にリスナーの世界を救っている。

歌っている間の、息継ぎをする音が、
他のアーティストよりも鮮明に入っているのだけど、
それは決して耳障りなんてものではなく、
そういう部分からも人間らしさを生に伝えてくるとこが、
清竜人の表現の上手さ・豊かさ。

曲全体に、彼は何か見えない力を与えてしまう。
「ウェンディ」のラストサビ前の、
たった2拍間の、4つのスネアの音が、
何度聴いても感情をえぐられて泣ける。
音の魔法。

清竜人が弾くアコギとピアノからは、とても「純粋」な音がする。
1人の人間として、
彼は深い自問自答を繰り返すけど、
だからこそどんな世界に居ても自分を保ち、
周りに流されて、周りから自分を汚されることないような、
名前通り非常に「清い心」の持ち主。
人間性を真っ直ぐ伝える2種類の楽器の音から、そんなこと感じる。

あなたの世界にも、あって損はしない1枚です。

シンプルかつ壮大な「ワールド」から幕を開け、
ラブバラード「マドモアゼル」「痛いよ」「ウェンディ」「ラヴ」、
焦燥感溢れるロックチューン「あくま」「ヘルプミーヘルプミーヘルプミー」、
明るきポップ「偉い偉いさんのボタン」「マイ☆スター」、
元気付けられるであろう間違いなしの「がんばろう」「それぞれそれぞれ」、
予測不可能な展開を繰り出す「イザナギの後遺症」など。

個性溢れる彼の世界が炸裂しつつも、
彼のこれからの新作を十二分に期待できる一枚です。

買ってまずは損なし!!



Posted by 春清花 at 11:15