ALICIA KEYSの「As I Am」CD レビュー

2010年03月04日

天才少女が年を重ねて、陰影を深めた歴史的名盤。

Fallin'、A Woman's worthを聴いて即買いしたファースト、
蟹江さんのキャッチーなYou don't know my nameのセカンド。

どれもこの若さでは十分な内容ではあったけど、
上記の三曲以外は意外と聴かなくて、なんかピンとこなかった彼女。

それは自分が根暗であるからか、
アメリカ人の天才少女特有の強気な感じ(?)が
馴染めなかったのからか。笑

そんな彼女の3枚目は、影を表現することで深みを増した会心作。
押すだけでなく引くことを会得した彼女の表現力。
より洗練された作曲と編曲。
上達したボーカルテクニック。

常々思っていたのだけれど、
R&BシンガーがRockのニュアンスを得ると物凄くイイ。
R&Bの人ってついテクニックに任せてフェイク効かせすぎたりして、
それが結果としてバラードを台無しにしてることがままある。
無骨にまっすぐロングトーンしたほうが心に響くことも良くあるのだ。

このアルバム聴いててふとそんなことを思い出した。
なんかスティングの曲を黒人歌手がカバーしたようないぶし銀な感じ。

よくよくライナーノーツを見てみると、
僕も大好きなFour non blonds(What's going onで有名)のメンバーが
ボーカルアレンジメントに参加しているらしい。
‥‥なるほど。

特に彼女、100%の黒人歌手と違ってちょっとコブシが甘いところがあった。
ブレス終了直前の下へ下がるところなど。
今回、その点のピッチコントロールも上達しているのだけれど、
そもそも不必要なところはフェイクせず、
ロック譲りの声質のニュアンスで味を出すことを会得してしまっている!

ここまで来たら、もう第二のスティービーになる日もおのずときそう。
次回作&ライブ版が楽しみ。



Posted by 春清花 at 15:50