凛として時雨の「just A moment」CD レビュー

2010年03月11日

蒼と紅の混じる闇迫る夕暮れ。

人影少ない歩道でヘッドフォンから突き刺さるように流れる彼らの音楽を聴いていた。





殺されると思った。






あまりにも冷たくて、激しくて、でも情熱なんてものは欠片もなくて、

ただ冷たい血が流れる。

「ヒトを殺す音楽」があるとするならば、きっと彼らの音楽なんだろうなと確信した。

病みそうになる一歩手前で踏みとどまりながら彼らの音楽を聴く。

っていうか彼らの音楽を聴いてる時点で病んでるのかな。

もう病んでも良いやって突き落とされる音楽。

負のオーラに私は惹かれる。

演奏の技術もすごい・・・けれど、そんなの私はわからない。

ただ溢れんばかりの音のオーラに瞬時に包まれる。

それがとことんまでに負であるからこそ、美しくて悲しくて、

まるで真冬の空気の冷たさのようだ。

切り裂かれそうになりながら、あるときを境にふと心地よくなる。

そんな臨界点を超えた音楽の快感。

覚悟して聴くべし。

病んだら最後。

好きであろうとなかろうと、快感であろうと不快であろうと、

感情を揺さぶる音楽。

揺さぶられたい人はぜひご傾聴あれ。



Posted by 春清花 at 00:10