THE NOVEMBERSの「picnic」CD レビュー

2010年03月11日

彼らの1stをタワレコで視聴した時は
良さがあまり分からず、個性もそれほど感じられなかった。

ただ「白痴」をもう一度聴きなおすと
誰かが「ポストsyrup」というのも分からなくも無いと思ってきた。

彼らを言葉で表すなら「狂気」。
こんなに危なっかしいバンドは見たことない。
ライブでの狂い方は、見てると恐怖を感じるくらいだし
そこら辺の「ロックスターがテレビの前で狂ったふりをしている」バンドとの明らかな違いを見せてくれる。

繊細そうな歌声と喉が破れそうなシャウトのコントラストが壮絶。
妙にリアルで鋭くて、それでいてどこか壊れているような世界観。
鬱っぽくてテンション下がってるときに聞くと危険。

「ガムシロップ」の前奏が全て。
歌い始めるまでの数秒で感情や風景やそんな物を全て表してしまう。
少なくとも私にとっては。

感情と現実だけがそこにあって、それを表現するためだけの洗練された言葉と演奏とメロディがある。

内側だけが泣き叫んでしまいそうになって、
外側はいつもどおりな顔をしてしまう。
たった数秒でこんな風に気付かされてしまう。

私はこれまで見た風景や感じたものの延長線上で生きているんだなぁ。
綺麗な言葉なんか歌わない、残酷な刹那ばかりだ。

けど わかってくれる なんかそんな安堵。
錯覚でも全然いい、雑踏の中に見える白く優しい光のような音楽。

ライブは凄まじいですね。
ただただ圧倒されまくりです。
あの破壊的なアクトはいつ見ても鳥肌たちます。
ただ破壊的すぎて不安定でいつ演奏がとまってもおかしくないような感じでこわいです。



Posted by 春清花 at 01:03