【PR】

  

Posted by TI-DA at

久保田利伸の「THE BADDIST」CD レビュー

2010年03月11日

PVの先駆けとして、マイケル・ジャクソンのスリラーが話題になった頃、日本にも衝撃的なポップスターが現れた。文化放送のジングルで話題になり、裏方から見出された久保田利伸である。実は、日本のロックシーンの伝説となるX Japanと同時代なのである。

当時を振り返りGLAYのTAKUROは、あるテレビ番組で「最も興味のなかった音楽だった」と述べたが、当時の日本にはR&Bのマーケットこそが存在しないといわれていた。

もちろん美空ひばりをはじめとして音の要素としてそれを表現したボーカリストは存在しなかったわけではない。しかしX Japanより、その衝撃ははかり知れないものだったと評価されるべきで、おそらく彼がいなかったら、EXILEも存在しなかっただろう。妙な例えに聞こえるかもしれないが、ジャニーズでいえば、岡本健一が木村拓哉のオリジンだというのと同じである。

シングルジャケットは、ポール・マッカートニーのジャケットも手がけた写真家による。今聴いても、同じプロデューサーによる平井賢やCHEMISTRYを超える声量と心の琴線に触れる感動がある。

ポップにして彼のかもし出すグルーブは、当時としては日本人離れしたものだったし、それがすぐスティービー・ワンダーと同列にあると知らしめた。

そんな久保田利伸を語る上で決して看過出来ない初ベストアルバム。
オーディオに入れ、再生ボタンをクリックした瞬間、体全体から心の奥底まで、電流が走りっ放し。
体が動き出して止まらない。そんな作品。

1曲目の「TIMEシャワーに打たれて」は、これまでの日本人アーティストには無い、力強いゴスペル調のアカペラからスタート。
そして重みを増したドラムのリズムに、極上ラップ。サビでは心の底から力が湧いて来るようなSOULを感じさせる。
そんなパワーアップした曲から始まり、こってりしながらも後味の良い、懐かしい曲が続く。

最後はデザート代わりの、きれいでスッキリしたバラードで締める。強いて不満を言うなら、2曲目の「流星のサドル」で変声のためにキーの高さに苦しそう。ラストを元曲のように、高いキーで叫ぶように歌っていないところにクールダウン。
これが出来ていれば、至上最極の1枚であった。


  


Posted by 春清花 at 00:10

東京事変の「スポーツ」CD レビュー

2010年03月04日

この人達は一体何処まで行くんだろう。

椎名林檎と亀田誠治という特別な才能に加えて

本作では伊澤一葉と浮雲もメロディーメイカーとして一皮むけた印象がある

刄田綴色は相変わらず熱いドラムを披露しているし

もはや完全に「椎名林檎のバンド」ではなく、「東京事変」としての傑作。
文句無しの金メダル級アルバム。

非常にスポーティというか、スタイリッシュな仕上がり。
爽やかでいて、なお且つ適度にアクもあり、切れ込み鋭い。
メロディはキャッチーでもあり、耳馴染みも良し。
疾走感が良いね。実に"Rock"です。

心にじわっと広がったり、ドキドキハラハラしたり。
技巧の素晴らしさは勿論、バンドの一体感を強く感じられる1枚。
沢山の人に聴いてもらいたい。

私は東京事変を音楽で会話ができる数少ないバンドのひとつだと思う。

会話には2種類あって、作品をリリースする際の聴衆との「こんなのはどーだ?」という会話と、メンバー間、楽器間で「こう来たか、じゃあこうだ」というような音楽を使って繰り広げる会話だ。

私はこれらの会話を感じるとき、今を生きているという喜びが湧き上がる。確実にこの時代を、この瞬間を彼らと共有しているという実感が得られるからだ。なんと幸せなことか。彼らの音楽センス、高い技術、「新しいこと、面白いことをやってやろう」という意欲、チャレンジ精神がこの会話を生むのだろう。

後者の会話というのはジャズのお家芸である。最近の事変はジャズの要素が目立つという批評を聞くこともある。ある曲ではQueenと似通った要素も見られる。いろんな変化があるが、彼らは確実に音楽の本質に近づいていると私は感じている。その変化に接している自分にこれまた幸せを感じる。

林檎女史の作曲が少ないため、彼女の持つ強いメロディーが少ないが、それに匹敵するだけの新しい試み、面白い音楽が随所にみられる事変好きにはたまらない作品集だ。

歌詞カードの文字を見るだけでも美しい。
前作「娯楽」では女史はただ唄い手冥利についていらしたが
今回はメンバー全員「行けるとこまで行ってみよう」と音を鳴らし合った結果、歌詞は最後につけられたとか。
そんなことも微塵とも感じさせないリリック、響き。

そして発声された音を聞いても美しい。
さらにバンドの音が重なって、素晴らしいロックバンドの完成。
そこには、力強い美しさが存在している。

1、『生きる』 作詞:椎名林檎 / 作曲:伊澤一葉
オープニングを飾るボーカル多重録音のギミックを多用した曲は、
鍵盤の一葉が作曲担当、なかなか凝りに凝った構成で楽しませる。

2、『電波通信』 作詞:椎名林檎 / 作曲:伊澤一葉
同じく一葉の作曲のハイセンスなデジタルロックの傑作!
既に事変ファンのコミュでも人気No.1の評判で、めっちゃインパクトがある曲。
ベースの亀ちゃんが今回も切れまくりなんですが、とくに異常なほど切れまくり。

3、『シーズンサヨナラ』 作詞:浮雲 / 作曲:浮雲
こいつ、また凄いインパクトの曲を持って来ちゃいましたね・・。傑作。
この唄の流れから切ない表現といい、林檎に唄わせることを前提とした完璧な構成。
アレンジも面白く、単純でカッコええ亀ちゃんのベース、ギターの複雑な絡み、
ピアノの流麗な速弾きソロ、 唄って手応えあるキャッチーさ、本当に面白い魅力満載の曲。

4、『勝ち戦』 作詞:椎名林檎 / 作曲:椎名林檎
出来栄えとしてはまま、普通な印象かも。海外のアーティストにはよくある曲だと思う。
歌詞が翻訳してみるといい歌詞の内容なので、日本語にした方がインパクトあるかも。
でも完成度はもちろん高いし、本人たちのこだわりも、アレンジの凄さも感じられます。

5、『FOUL』 作詞:浮雲 / 作曲:浮雲
こりゃまた強力なハイスピードナンバーで、浮雲のセンスの良さが感じられる。
特にコードワークが素晴らしく、言葉遊びの歌詞が流れるようにすっ飛んで行く様が素晴らしい。
簡単に唄えて、でも変化を感じて、勢いがあって、楽しい。
熱く唄って、疾走感を存分に楽しんで欲しい曲。
たった2分半にこの構成を収めた浮雲に感服。

6、『雨天決行』 作詞:椎名林檎 / 作曲:伊澤一葉
ポップテイストとほんのりジャズ風味の明るい曲調は、一葉の真骨頂。
林檎の声質がいつもと全く違って、あんまりにも透明。笑
これはやっぱし、ミックスの井上うにさんの魔法かと思うけど、
歌詞の素直さにも最近の林檎らしさがあって、とってもいい組み合わせに思う。

7、『能動的三分間』 作詞:椎名林檎 / 作曲:椎名林檎
先行シングル曲。このシングルには5月のツアーチケットの応募券がついてた。
はずれたけど。

8、『絶対絶命』 作詞:椎名林檎 / 作曲:椎名林檎・伊澤一葉
恐らく林檎主導で作曲、唄のアレンジを追求する内に一葉と共作することになったぽい楽曲。
複雑なコードワークは恐らく一葉の手によるものと考えられる。
面白い構成のコード進行は、人によってはクセになる魅力があるのでは。

9、『FAIR』 作詞:椎名林檎 / 作曲:浮雲
今回唯一の林檎・浮雲のカップリング曲。いいねぇ。大好き。
浮雲のギターフレーズもソロもジャズロックな魅力満載で、
唄メロもくどいくらいのジャズコード進行に乗って唸るとこが最高。
歌詞もシュールで渋くて、暗示的でかっこええ。
月空の下で聴いていたい。

10、『乗り気』 作詞:椎名林檎 / 作曲:伊澤一葉
これは一葉の変化球ナンバー、超短いエレクトロプログレッシブロックですね♪
3分未満の中にこんだけ色んな展開をぶっこんで、シンセなキーボードソロまで盛りだくさん。
勢いがあって楽しい曲だけど、かなり高度な構成で作られてる佳曲です。

11、『スイートスポット』 作詞:椎名林檎 / 作曲:椎名林檎・伊澤一葉
これも恐らく林檎作曲をフォローする意味で一葉と共作になったと思われる。
林檎の唄が非常にテクニカルかつ、表現力が高いので素晴らしい完成度です。
ギターフレーズやソロがエリック・クラプトンっぽくて、ちょっとビートルズの
ホワイル・マイ・ジェントリー・ギター・ウィープスを思わせるところも林檎趣味炸裂。笑
よい意味で60年代~70年代のブリティッシュ、アメリカンロックの影響を反映した楽曲です。

12、『閃光少女』 作詞:椎名林檎 / 作曲:亀田誠治
2007年に既発表済みの亀ちゃん作曲ナンバー。
色褪せぬ魅力満載のドライビングナンバーですね。これ以上言うこと無し。

13、『極まる』 作詞:浮雲 / 作曲:浮雲
ラストを括る楽曲は、浮雲のギターがジョージ・ハリソンみたいに響くスルメ曲。
歌詞もなんか何云ってるか判らん魅力あって、こいつもヤバいね、ハマりそうw
思わず目を瞑ったまま、ぼ~~~っと時が過ぎていく、あの感じ。


ライブ映えする曲がそろっている感じがする。
ということはフィジカルを大いに刺激。
耳から入って筋肉へ電気信号が送られる。
脳内には快感物質が溢れこの上ないハイテンション。
その勢いで身体を心を揺らす。揺らしたい。

これだけ捨て曲が無く、どれがシングルになっていてもおかしくないアルバムに出会えるのは貴重。
いつでも聴きたい音楽として傍らに置いときたい感じがする。

あえて“最高”傑作にしなかったのは次回作への期待。  


Posted by 春清花 at 15:50

ALICIA KEYSの「As I Am」CD レビュー

2010年03月04日

天才少女が年を重ねて、陰影を深めた歴史的名盤。

Fallin'、A Woman's worthを聴いて即買いしたファースト、
蟹江さんのキャッチーなYou don't know my nameのセカンド。

どれもこの若さでは十分な内容ではあったけど、
上記の三曲以外は意外と聴かなくて、なんかピンとこなかった彼女。

それは自分が根暗であるからか、
アメリカ人の天才少女特有の強気な感じ(?)が
馴染めなかったのからか。笑

そんな彼女の3枚目は、影を表現することで深みを増した会心作。
押すだけでなく引くことを会得した彼女の表現力。
より洗練された作曲と編曲。
上達したボーカルテクニック。

常々思っていたのだけれど、
R&BシンガーがRockのニュアンスを得ると物凄くイイ。
R&Bの人ってついテクニックに任せてフェイク効かせすぎたりして、
それが結果としてバラードを台無しにしてることがままある。
無骨にまっすぐロングトーンしたほうが心に響くことも良くあるのだ。

このアルバム聴いててふとそんなことを思い出した。
なんかスティングの曲を黒人歌手がカバーしたようないぶし銀な感じ。

よくよくライナーノーツを見てみると、
僕も大好きなFour non blonds(What's going onで有名)のメンバーが
ボーカルアレンジメントに参加しているらしい。
‥‥なるほど。

特に彼女、100%の黒人歌手と違ってちょっとコブシが甘いところがあった。
ブレス終了直前の下へ下がるところなど。
今回、その点のピッチコントロールも上達しているのだけれど、
そもそも不必要なところはフェイクせず、
ロック譲りの声質のニュアンスで味を出すことを会得してしまっている!

ここまで来たら、もう第二のスティービーになる日もおのずときそう。
次回作&ライブ版が楽しみ。  


Posted by 春清花 at 15:50

flumpoolの「Unreal」CD レビュー

2010年03月04日

バンドの音が好きです。特にベースラインがイイですね。
微妙にかすれ気味で、若干震えてる声。
ちょっとクセのあるボーカルが好き。

ブラッディマンデイの主題歌『Over the rain~ひかりの橋~』
闇の中に見える光。かすかな希望を見つめて。テーマが深いぜ。
ここまでドラマにぴったり寄り添う曲にはそうそう出会えない。
この曲なしにはドラマが完成しないんでは?くらいの存在感。
この人たち、すごい!!て思ってレンタルしました。

他の曲たちも、バラエティ豊かでよかったです。
大音量で聴くと、いろんな楽器の音が聴こえてきて面白いのです。
音を丁寧に創っているなぁ~って思いました。

声だけじゃなくてメロディーももちろん抜群にいい。
初めて1曲全部通して聴いたとき、
サビに入って「いい歌ー」と思っていたところで
いきなりまたリズム変わって「おお!」と思いました。
サビが2重にあるような。。。

まぁ俺が思うサビが本当にサビかわからんけど・・・


イントロ20秒くらいも最高だね。ベースが追っかけてくる。

くるりのように繊細で、ゴーイングアンダーグラウンドのように疾走感があり、ポルノグラフィティのような勢いを感じます。

これからが非常に楽しみなバンド、全般的にそう感じられる音。

個人的にはもう一つのインディーズの曲「ミライカナイ」が入っていてくれてたらうれしかったです。

1. 花になれ
2. 春風
3. Over the rain~ひかりの橋~
4. 388859
5. Hello
6. labo
7. LOST
8. 未来
9. 花になれ instrumental
10. Over the rain~ひかりの橋~ instrumental   


Posted by 春清花 at 00:36

MAROON 5の「Songs About Jane」CD レビュー

2010年03月04日

MAROON 5はアメリカのロック・バンド!
一見すると近年流行っているUKロックバンドなのだが中身はちょっと違う。どこか黒っぽい心地いいグルーヴとソウルを感じる。
ジャンルにすると、ROCK、R&B 、POPみたいです。

ルーツミュージックを大切にしながらも、それを全て自分達の音楽に昇華させてしまっていると言う、およそ新人バンドとは思えない音楽性と、アルバム全体の完成度の高さ。
そして、若さを残しつつも、まさか20代中盤の若者が演奏しているとは思えない美味しい所を付いてくる演奏力、そして歌唱力の素晴らしさ。

世界でも日本でもとにかく人気ですし、
洋楽初心者の方にも聴きやすいかと思います。
こいつらの洗練されたサウンドは半端じゃないと思いました。

特徴としては、ファルセットな歌声と、失恋ソングが多い、綺麗なメロディが多い・・・でしょうか。
なんかオシャレな感じのも多いです。

Harder to breathe、This love、She will be loved、Sunday morningとかっこいい曲がたくさん入っていて、大満足です。
日本版の特別版にはkanye west remixのthis loveが入ってて、よくできてるので、そちらのほうがオススメです。
オススメな一枚ですねー。

ジョン・レノンの
「Happy Xmas(War is over)」
をカヴァーした曲等も歌っているんですが、
CDで販売していないのが残念です…  


Posted by 春清花 at 00:28

清竜人の「PHILOSOPHY」CD レビュー

2010年03月04日

哀愁と切なさの共存。

才能という言葉を容易く使う音楽評論家は好きではないんですが…

清竜人は才能があると言わせてくれ!

才能の塊、恐ろしい19才。

『morning sun』、『ジョイフル』など、洋楽志向で軽快なピアノが聞いてて気持ち良いし、

『ジョンLフライの嘘』はスキマスイッチを思わせるようなポップチューン。

『非システム』の歌謡曲っぽいメロディーからは曲の振れ幅の大きさを感じます。

歌詞はひねくれてて若いですけどね。
英語詞の方が素直で好きです。

このライトさとお洒落さは
John Mayer,Jason Mraz, Jack johnsonなどの
イギリスロックを彷彿とさせる。

キラキラしているようでスモーキーなような声。
つかみどころがないようでキャッチーなようなメロディ。

日本的な歌詞が洋楽志向のメロディーにちゃんと乗ってる、この辺のバランス感覚がスゴい。
2010年絶対に来るアーティスト。
CD大賞ではスーパーフライを押さえ2位だったそうです。

ちなみに1位はTHE BAWDIESだそうです。
原点に戻った音楽が注目されてるようです。

音楽評論家ってすごいな…。

余計なモノなんてとっぱらちゃって。

「書く」というアウトプットの巧いヒトは
「話す」という能力にも長けていると思っていた。

朝4時のカフェオレと暗い空

未来への期待と不安

これからどうなるのかな?

いつか会えるのかな?

怖くなって部屋をでた

空の色が少しずつでも確実に変わってく

朝日がすべてを包む

♪Mornig sun lights us~
単純な繰り返しが本当は大切でただ気づいていないだけなんです♪

力強く伸びる木

仲良く散歩する老夫婦

学校へ急ぐ中学生


人を思いやること

出会わないより良い

たとえ傷つけ合う関係でも


日常に感謝することを思い出させてくれる一枚。

彼のphilosophyが存分につまってます。  


Posted by 春清花 at 00:28

ユニコーンの「服部」CD レビュー

2010年03月04日

一杯一杯聞きすぎてレコードではないけど、CDで擦り切れるほど聞いた。

時代は89年。バブル末期であり、「イカ天」が始まった年。
空前のバンドブームがそこから始まったのだが、そのムーブメントの中で異彩を放っていたのがユニコーンだった。

前作まではビート系のシンプルな音楽だったんだけど、これから音楽性がとっ散らかり、同じバンドとは思えない楽曲が混在。そもそもこのタイトルとジャケットのオッサンなんだ?

前回の『PANIC ATTACK』
かっこ悪い事をしちゃおうぜ。枠からはみでちゃおうぜ。ってな感じの若さが見えてかなり恥ずかしいぃ気がしたんだけど。
『服部』はもう、抜けてますね。
ABEのせい?wはじけましたね。
音楽性もものすごく安定してて、どんどん、一般ロックからは反れ始めた。「真面目にロック」よりかっこいい基本UNICORNが。
オーケストラのメドレーで始まり、次の曲を「ジゴロ」という遊び人の男の歌を子供に歌わせるという非常に際どいユーモアセンス。そして最後が「ミルク」という子供が生まれた事を喜ぶ歌で締める。

今まで色んなCDのアルバムは聞いたがこれほどの完成度にはついぞお目にかかれない。オリジナル・アルバムでは国内最高峰だと思う。

もう二度と現れないでしょうね。
こんな素晴らしいバンド。
全員が作詞作曲をし、ボーカルもやる。
オーケストラ、ボーイソプラノ、ハードロック、ジャズ、ブルース、レゲエ、ラテン、フォーク等々、何でもアリにも程があるぐらい様々な音楽を聴かせてくれるアルバムだが、決して支離滅裂な作品ではなく、何故かそこには一体感が感じられるという不思議なアルバム。

特に今作ではメンバー間の合作があったり、奥田民生以外のメンバーの頑張りが非常に目立つ。後にユニコーンを語る上で欠かせない、「おかしな2人」と「人生は上々だ」はその代表格だろう。

特に「人生は上々だ」では阿部義晴という新メンバーが歌っているという、今後のユニコーンにおける、何でもありだけどガキっぽいのはなしという方向性を決定付けた「ペケペケ」に次ぐユニコーンのエポックメイキング曲だ。

また「服部」や「パパは金持ち」のような風刺を交えた曲が目立ってきたのもこのアルバムの特徴だ。ただユニコーンは風刺の仕方が非常に巧く、嫌味を感じさせない。
シングルになった「大迷惑」「デーゲーム」は当然、「おかしな2人」「人生は上々だ」など、印象的な曲が揃っているけども、もう全曲ハズれ無し。
「ペーター」や「君達は天使」はEBIが作詞作曲で自身が歌うという、自身が作った曲は基本的に自分が歌うというユニコーンのスタイルを確定させた。

新加入の阿部は「逆光」という曲で作詞作曲を行っている。いきなりこういう名バラードを持ってくる才能には改めて驚く。

ヒットシングルの「大迷惑」はオーケストラやスカも交えながら、ここまでユニコーンの集大成を見せた一曲。

個人的には「人生は上々だ」が非常に好きで、後のユニコーンの楽曲全て含めても一番好きな曲。

ロックファンなら誰でも安心してオススメ出来る名盤だ。
解散後
ソロ、解散で民生以外のメンバーどうなんの?
さすが奥田民生!カリスマ
なんて言われたけど

こうやって昔のアルバム聞くと
奥田民生もUNICORNのメンバーが居て初めて輝く 気がする。   


Posted by 春清花 at 00:28

Foo Fightersの「In Your Honor」CD レビュー

2010年02月27日

2枚組みの豪華版。
1枚目は従来どおりのロックテイスト。
2枚目はなんとアコースティック。
それぞれ違った感じに楽しめます。

おススメは1枚目の「No Way Back」
ガツンとやられました。
サビの最後で仕切りなおして言うところとか、間奏とか。
こっちのアルバムのほうがノリやすいせいかよく聴きます。

バンドとして円熟期を迎えて作られた
現時点での最新作

骨太王道ロックという言葉がぴったりのこのバンド。キャッチーなメロディーに、ゴツイ演奏、感情豊かに叫ぶボーカル、まさにロックといった感じです。ミッシェルガンエレファント、エレファントカシマシ、アジアンカンフージェネレーションなんかが好きな人は絶対気に入ると思います。

紹介するのは去年でた最新作「In Your Honor」です。二枚組もボリューム満点な作品で、一枚目がバリバリのロック、二枚目が落ち着いたアコースティックアルバムになっていてお得感があります。演奏はゴツイですが、ポップなメロディーのため聞き疲れることはありません。そして存在感あふれるボーカルも魅力的です。

二枚目のアコースティックアルバムは、同じバンドのアルバムとは思えなぐらい和やかな音楽が楽しめ、こちらもオススメです。

フーファイターズの中ではわりとポップな作品です。もっとロックな方がよければ「One by One」がいいと思います。ぶっ飛びますよ!!

正直二枚組みにする必要はあったかなと思うけど
1つの作品で違う楽しみ方が出来るのでこれもアリかなと

ロックサイドの方は前半の興奮が
後半ではだれる感がありますが
アコースティックサイドは音に無駄が無い分
曲の良さが際立っています。

もちろん2枚目は2枚目でらしさがあります。
聴いていると心地よい空間に早変わり。
ノラ・ジョーンズとコラボしてる曲もあるせいかなおさらです。

ロックの激しさもアコースティックの穏やかさも味わえる。
欲張りなひとにはもってこいの作品。

CD-1、1曲目「In Your Honor」
通勤途中のカーステレオから流れてきた
ディヴ・グロールの第一声
「Can you here me?I'm screeming…
(俺の声が聞こえてるかい?この俺の叫び声がきこえるかい?)」
不覚にもぐっと来た…
ハンドルを握りしめながら、
必死で涙を堪えている自分が居た…

きっと彼はそんなつもりでこの曲を作ったのではないのだろうが
私にはどうしても天国に居るカート・コバーンに向かって
呼びかけているように思えてならなかったからだ

私がその事を姉に電話で話すと
姉は電話口でこの歌詞の日本語訳を読み上げてくれた…
「お前の為になら、今この命を捨てても構わない…」
普通なら愛する女性に語りかけているとしか取れないだろう歌詞も
私達には特別なものに思えた…

FOO FIGHTERSが結成されてもはや10年?
カートが世を去って既に10年以上経ったと云う事…

カート、聞こえている?
ディヴのこの歌声が…
この世に残された私達の叫び声が…

  


Posted by 春清花 at 23:49

キリンジの「DODECAGON」CD レビュー

2010年02月27日

たまーにすんごく打ち込みの音が聞きたくなりまして。

そうすっといっつもヒップホップよりのジャズエレクトロとかにもなるんでうが。

こっからぼくのキリンジンセイがはじまったんでぼくにとってキリンジはピコピコ系なイメージなんです。

馬の骨とか個々の活動もあったけど私はキリンジとしてのものを待ってたんだよ。

聞けば聞くほどいい。
誰かがスルメのようなアルバムだって言ってたけどその通りだと思う。

泰行さんの声がもうセクシーです。大人の男の声してます。1stと聞き比べるとその違いは歴然よ。

それ以前のはそのうちきこふ。

多様性にとんでいて、ただ打ち込み特有の無機質で突き放すような音は感じさせないー。

聴いてびっくり。
ティンパン~ヤマタツの系譜でも語れそうな
すごく高度なシティ・ポップをやろうとしてるんですね。

真っ当に良質なメロディメイクして、
随所にマニアックな要素も織りこみ、
スウィートなヴォイスにのせるのは
皮肉たっぷりな歌詞だったりして、
つくづく知能犯だな~

でも決して斜にかまえてるわけでなく、
むしろストレートすぎるほどの
音楽に対する並々ならぬ愛を感じる作品でした。
毎日がきらきらして見えてしまいそう。

てか勝手に演奏してないって思ってるだけなんですが笑

でも声もやわらかくて好きおっちゃんなのもいいし。
だから根は80年代後半チックな「適度な暗さと
いい加減さ」があるよ。きっと。確かだ。
だってあの、80年代後半から青春時代スタートですから。

「そういえば最近キリンジどうしてるかな?」
と思って聞いたら「お、こうなってたか。」って感じ。
暗いね(笑)いや、音は暗くないけどさ。

つまりこれの聴き方って、ライブじゃなくて
ヘッドフォンで大音響で両手をジャンパーに手を
つっこんで聴くんだよ。

あー、ウォークマンがテーブだった頃ねえ。
テープのウォークマンねえ。

そういう音の作りになっていて。
だからその、さむい冬の空で、白い息吐いて
足早にどこかに行こうとする時に、ipodに入れて
いくといいよ。


あとは歌詞が。

大人やー。

風が吹くたびこぼれる思いがいつも
夢のようにかなうなら
オシャレも彼もキスも
たぶんそうさ退屈さ


大人やー。

特に気に入った3曲
「ブルーバード」
忘れかけていた大切な気持ち”立ち向かう”とか”はばたく”とか”勇気”とか。言葉にすると安っぽいけれど くじけても立ち上がるよう、風を感じる曲です。

「鼻紙」
勝手に”花粉症の歌”と決めてしまったのだけれど。「世の中、すぐに思い通りになったら 味気ないんだよ。」とやさしく語りかけてくれる歌。そうなんだよ、何事も苦労して手に入れたほうが何倍も嬉しいんだよ と心が温かくなりました。

「Lullaby」
沼澤尚さんのビートの効いたドラムと森俊之さんのブルージィなホーンアレンジは、かつてのスガシカオさんを彷彿とさせます。それに泰行さんの甘い歌声が溶け合ってとてもセクシーな曲です。”雨に祈る”っていう神聖な気持ちにさせてくれます。

キリンジの音楽に知り合えて幸運に思います。そして、矢野顕子さんが小田和正さんに贈った名言を借りると”同じ時代に生きる事が出来て幸せです” 本当に。  


Posted by 春清花 at 23:49

矢野真紀の「BIRTH」CDレビュー

2010年02月27日

30歳の誕生日にリリースした、『ライトアルバム』。

真紀ちゃん本人が詞や曲を手掛けることなく、寺岡呼人さんや仲井戸麗市さん、さだまさしさんらが創った詞や曲をうたうことによって、『歌い手』矢野真紀の本質を見事に表現していると想う。

うたって云うのは、ひとによっていろんな形に変わって、同じひとがうたっても毎回違う姿を見せてくれるものだと想う。

真紀ちゃんの『うた』は、真紀ちゃんそのものが反映されて真紀ちゃんのうたになる。

このライトアルバムでは、演者に徹していると云えども、強く揺さぶられる感覚がある。

『うた』に自分を見出すことができる。

それが『歌い手』なんだと想います。

「パパ」
この曲に出逢えてよかった
初めて聴いたとき涙が止まらんかった。
パパを思い出せるから。
パパに出会えるから。
パパに感謝できるから。
世界で最初の恋人なの

「COLOR」
すごく、元気になれる曲
聴くだけでテンションあがる
結婚式には、この曲使いたいなぁ。

「返信」
おもっきし、切ない。
ガンガンに不倫の歌やな。うむ。
この曲でドラマ作れるで。
返事はもう、返しちゃダメよ。

「アイサレ」
これも、また切ない。
失恋やねぇ。
アイサレたいのに~
ただそれだけなのに~
みんな少しずつ別の人を好きになってしまうね。。。
あぅぁ~せつな~い♪♪

「Good Time」
ゆるゆる~song♪
陽だまり~の中でゆるりと聴きたいね。
お茶飲みながら聴きたいね~。

「窓」
さだまさし。
泣かすねぇ。
生きること。
生きていられることがどんなにステキなことか。
今いない人の分もシッカリ生きたい。
前を向いて。  


Posted by 春清花 at 23:49